九百年の風化、世界遺産アンコール遺跡群③~タプローム~

 

こんにちは!オガタです!

今回はアンコール遺跡群シリーズの第3弾であり最終回、タプロームをご紹介します。

 【タプローム】

ちなみにこれまで「アンコールワット」「アンコールトム」という名の日本の飲食店を紹介してきました。今回の「タプローム」というお店はなんと……………………ありませんでしたぁぁぁ!!

もしどこかで新規オープンしたという情報があればぜひご連絡下さい。

 

「タプローム」は1186年にクメール王朝の国王、ジャヤーヴァルマン7世が母のために建てた寺院です。

39の祀堂や塔があります。ここは特にガジュマルなどの樹木に覆いつくされた遺跡として有名であり、この樹木は発見当時から伐採されていないそうです。

実は学生の頃に読んだ「奇想遺産」(クリックするとアマゾンのリンクに飛びます)という世界の奇想天外な建築物が集まった本でこの遺跡を初めて知り、「いつか見てみたい!」と思っていた遺跡でした。今回でひとつの夢が叶いました。

この目で見ることができたことで感無量な私に語れる言葉はもはやありませんので、長年の時を経た遺跡と樹木の自然の芸術をどうぞご覧ください。

 

しょっぱなからユニークな木。

 

その右側には中に空洞がある大きな樹木。子供がすっぽり。

どーん!!!

この力強さ!枝分かれしている部分でさえ他の樹木の幹ほどの太さがあります。

 

 

みょーん

堂々たる立ち姿

樹木の力こぶ。筋肉むっきむき

 

 

 

もはや遺跡に覆いかぶさっています。

 

人間より大きい薄い切り株。

 

横幅はこんなに広いです。

 

 

内部に入ると崩れた天井から所々、光が差し込みます。

 

 

アーチの天井。隙間もあいておりもはやどう支えられているのか不思議です。

 

 

 

有名な記念撮影スポット。まるで表面が溶けて樹木の骨組みが露わになっているかのようです。

 

 

壁をまたいで生えています。

 

 

寄り添っているようにみえますが、よーくみると根が遺跡の中まで浸食しています。

 

 

 

この遺跡の修復はインドによる保存・修復事業が行われています。保存方法としてガジュマルの根茎を伐採すると遺跡全体の崩壊に結びつくことが懸念されるため、根茎を残したまま進められているそうです。

敷地内にはこのように散乱している石が見受けられます。

 

補修現場

遺跡とあわせて木を下から支えているというなかなかみられない光景です。

 


ここでオガタのちょっと見るのが楽しくなるポイント

「 オ ガ ポ イ ! 」

もはや定番となりつつある今回の「オガポイ!」はガジュマルの生態です。なぜこの遺跡がここまで樹木と一体化しているのかというのはガジュマルの樹木の性質に起因します。樹木の性質として幹が多数分岐し、気根(地上部分から生じた空気中に露出している根)を地面に向けて垂らし、垂れ下がった気根が少しずつ土台や自分の幹にからみついていくことによります。そのため、本来の幹とそこから派生した気根を意識して見てみるとまた少し違った視点から楽しめるかもしれません。

遺跡に沿ってもはや真横に伸びる気根。右上の気根が集まっている部分が本来の幹になります。

この中を歩いていると遺跡に絡みつく気根が地面を進む根っこのようにみえ、遺跡の屋根が地表面の高さになりまるで地面の下にいるような不思議な感覚を覚えます。

またガジュマルは精霊が宿る聖木として扱われる神秘的な木であり、「幸福の木」との別名をもちます。

そのせいもあってか、敷地内の自然の割合の多さと相まってパワースポットのような神秘的な場所となっています。

台湾・台南市の「安平樹屋」(→安平樹屋に関する以前の記事はこちら)でも感じましたが、それよりもさらにスケールの大きい、自然の生命力の力強さを肌で感じました。

これまで3回に渡ってアンコール遺跡群をご紹介しました。

風化が歴史を映す墳墓寺院、山脈・城塞のような大都市、樹木と共生する遺跡とそれぞれ異なるタイプの遺跡群でした。

いずれにも共通するのが、佇まいで歴史を物語る遺跡であったということです。

いつか私も佇まいで歴史を語れるようになりたいものです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回のオガ旅もお楽しみに!

株式会社翔設計、海外特派員のオガタでした!

 

 

 


今回第三弾を読んで、前の記事も読んでみたくなったあなたに…

★第一弾 アンコールワットの記事はこちら

★第二弾 アンコールトムの記事はこちら

 

 

 

 


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