九百年の風化、世界遺産アンコール遺跡群①~アンコールワット~

こんにちは!最近日本語が「ほんとに?」「すごい!」「うまい!」の3つほどになり、語彙力の低下に危機感を感じているオガタです。

今回はカンボジアのプノンペンからバスに乗り、シェムリアップへと移動しました。観光都市シェムリアップには、カンボジアと言えばここ、と思い浮かべる方が多い有名な世界遺産、【アンコールワット】があります。

アンコールワットの場所はこちら↓
アンコールワットは広大な敷地の中に数多くの遺跡が残されているアンコール遺跡群のメインの観光名所です。アンコールワットとあわせていくつかの遺跡を周りましたので、アンコール遺跡群シリーズとして記事を分けて掲載します。

ちなみに本社がある代々木にも【アンコールワット】(※地名をクリックするとグーグルマップに飛びます。)というカンボジア料理屋さんがあるそうです。会社の近くに世界遺産があったなんて不覚でした。お近くの方はぜひ足を運んでみて下さい!

お店の詳しい情報はこちら(食べログの記事に飛びます)


アンコールワットとは、インドシナ半島全域まで栄えたクメール王国の寺院及び創建者である王の墳墓(※ふんぼ/埋葬として使われる建造物)です。1113年より32年もの歳月をかけて建設され、クメール建築の傑作と言われる技術を結集させた遺跡です。14世紀にアユタヤ王国に侵略されたのち、19世紀にフランス人博物学者によって密林の中から再発見され、広く知られるようになりました。

朝日や夕暮れ時の景色が格別にきれいだということで、早朝5時半に宿を出発し、アンコールワットへと向かいました。丸一日アンコール遺跡群を周るため、移動はトゥクトゥク(三輪タクシー)を一日チャーターしました。

水とドライバーさんと私

市内から30分程移動し、眠い目をこすりながら(移動中はむしろ寝ながら)まずは【チケットオフィス】へ行きます。

チケットオフィスはアンコール遺跡群の入口から南に6~7km離れている場所にあります。近くに設けると混雑してしまうため離れたところに設置しているとのこと。

いやいや、そんな大げさな!と思っていたら…

平日の朝6時過ぎでこの人数!みくびってすみませんでしたm(_ _)m

チケットをゲットし、いざアンコールワットへ!あいにくこの日は雨模様…ギリギリ雨は持ちこたえ、朝方のアンコールワットを見ることができました。(朝日は見れず…早起きしたのに…)


■敷地

周りを森林に囲まれた場所で四方に堀を囲まれている敷地です。これがまたとにかく広い!200ヘクタールもの広大な敷地もあるため、普通に見て回るだけでも2時間以上かかります。伽藍(※がらん/寺院の主要建物群)は囲壁の中に三重の回廊が廻り、中央に5つの塔が立ち並ぶ構成となっています。この構成について、中央塔は神々が住むといわれる須弥山(※しゅみせん/仏教やヒンドゥー教で世界の中心にあると考えられる想像上の山)、回廊がヒマラヤ山脈をモチーフにしているといわれています。

こちらがアンコールワットの配置図です。

(出典:http://21432839.at.webry.info/201210/article_3.html


■入口~西参道

アンコールワットにつながる本来の橋は工事中であったため、仮設の橋を渡っていきます。

橋を渡って入口を抜け、西参道を歩いていきます。

参道の両側にある経蔵(※きょうぞう/経典や仏教に関する書物を収蔵する場所)の内部。柱が一続きではなく、間に梁が通っています。石積の構成によるものだと思われます。

アンコール遺跡の復旧には日本も参加しており、修復をした施設の前の看板に日本語で説明が書かれています。これをみるとなんだか日本人として誇らしい気持ちになります。さすが日本!

参道を抜け西塔門の前でぱしゃり。この日は30℃を超える天候ですでに汗だくです。(ポケットの中で何かが暴れてます)

入口横のシンハ像(※獅子・ライオンのことで、宮殿や寺院などを守護する聖獣。シンハビールのシンハ!)ものすごく背筋がよかったため思わずぱしゃり。


■伽藍

中に入ると最初は4つの沐浴池跡がある十字回廊に出ます。ここで沐浴が行われていたそうです。

回廊の外側の柱。雨や風の影響を受ける外側は黒く、内側は元の石の色できれいに2色に分かれていました。

漆の朱色が残る梁底。建設当時は漆の上から金箔にて仕上げられていたようです。

 

根元が破損している柱。このような柱を他にも見かけました。

お坊さんにお経を唱えてもらいながら水をかけられるのですが、地味に少なくない水の量……。最後に手首にミサンガを巻いてもらいました。

 

建物の一部に補修用の足場がかかっていました。
メッシュシート(足場外側の黒いシート)を見てみると、イタリアの国名の記載がありました。

十字回廊から北側の経蔵をバックに。

不自然な立ち姿。(ポージングでも練習しようかな…)

 

十字回廊沿いの頭のない仏像達。
東側の第一回廊内部。吸い込まれそうな遠近感!

回廊内に描かれている浮彫にはヒンドゥー教神話を中心とした物語が刻まれています。こちらは「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」というヒンドゥー教の天地創造の物語。神々と阿修羅たちが不老不死の薬を作り出すために、大蛇を綱代わりにして海をかき混ぜるというなんともスケールの大きなお話です。写真ではしっかり縄(大蛇)をもち、綱引きをしているように見えます。

第一回廊内で補修作業がされていました。

南側の第一回廊。東側と異なり、通路の両側に柱があり2つの柱が梁でつながれていました。

回廊の突き当りにいた佇む人。内外でのものすごい明暗差!

第二回廊を抜けた先にはメインの中央塔。間近でみると結構高い!

中央塔に一度に入れる人数が制限されており、順番待ちの列ができています。

15~20分程並んでやっと順番。このとてつもなく急な階段で上へのぼります。

上にあがり第三回廊から見上げる中央塔。間近で見られるため構成から模様までしっかりと確認できました。

中央塔から西側入口を眺めた風景。きれいなピクチャーウインドウ。

第三回廊内の浮彫。右側がヒンドゥー教の女神デヴァダ。アンコールワット内でも2000体以上もあり、それぞれ表情やポーズが異なるため、個々の違いを見つけるのも楽しいかも。

北側の塀の外からの中央塔。青空とのコントラストがきれいです。

参道両側の聖池の手前にいる馬。毛並みのきれいなしっぽが風にたなびくお気に入りの一枚。

これ、見どころです(笑)。


ここでオガタのちょっと見るのが楽しくなるポイント

「 オ ガ ポ イ ! 」

3重もの回廊があるこの伽藍では、回廊の外部との接し方による内部の明るさや天候によって、入り込む光の印象がまったく変わります。

①第一回廊では壁がなく外部に面しているので、内部も明るく壁面のレリーフも見やすくなっています。

②第二回廊内部。第一回廊より内側にあり開口が少ないため薄暗いです。そのかわり入り込んだ光のグラデーションが見て取れます。

③西側入口付近の回廊内では、暗い内部へ差し込んだ強い光によるくっきりとした陰影が印象的です。

このように場所・方位・時刻・天候によって様々な光・影の表情を楽しむことができます。ぜひ訪れた際はお試し下さい!


歴史的建造物などではしっかりと補修・メンテナンスが整備され、完全な状態をみることが多いのではないかと思います。それに対しアンコールワットは、現在も補修作業中で建物の破損箇所や首のない仏像、風化した石造りの表情。それに加えこれまでの国家の権威や人種、宗教、争いの歴史を包括して建物が立ち続けていることがより一層、約900年もの時の経過を物語っているように感じられました。

900年もの歴史を刻む広大な遺跡、アンコールワットでした!

最後までお読みいただきありがとうございました。

アンコール遺跡群シリーズは第3弾まであります。次回のオガ旅もお楽しみに!

株式会社翔設計、海外特派員の尾形雄樹でした!


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